漫画『宝石の国 (6)』の中から印象に残る名シーンを3つピックアップしました。
市川春子.宝石の国(6).第四十四話「近道」:ラピス・ラズリの頭部
僕が剥がれても、フォスを守ってね
話数 | 第三十七話 |
タイトル | 「代わりに」 |
ページ数 | p22 |
合金の制御ができなくなり、月人の船の上で動けなくなったフォス。ゴーストはフォスの上半身と下半身を船から地上に落とすことに成功するが、左腕を砕かれてしまう。
二重構造のゴースト・クォーツは、中にいる黒い君と協力して月人たちに応戦する。月人たちが放つ無数の矢を片腕だけでしのぎながら、チャンスを伺うが、徐々に全身を削られていく。表面が全て削り落とされる前、ゴーストは中の黒い君にフォスを託した。
耐えるぞ
うん。あのね、僕の中にいる黒い君のこと乱暴で勝手でどうしようもなく迷惑で、ラピスが帰ってこないのも全部 君のせいだと思ってた
知ってる
あはは。そりゃそうだね。そういうとこもほんとイヤ!一緒はもううんざり!でも今日は頼りになる
僕が剥がれても、フォスを守ってね
何いってんだよ。ほら、助け来たぜ。おい、おい!返事しろ!
市川春子.宝石の国(6).第三十七話「代わりに」
先生やボルツたちが助けに来たが間に合わず、剥がされたゴーストの破片は月人に持っていかれてしまう。中の君は、後にカンゴームと名付けられ、ゴーストとの最後の約束を守るためフォスと行動を共にする。
みんなと、一緒に戦うのはいいね
話数 | 第四十三話 |
タイトル | 「盤上」 |
ページ数 | p166 |
二重の予兆黒点が出現し、フォス、カンゴーム、ペリドット、スフェンの4人で戦闘に挑む。だが、破裂する宝石を落としてくるという未知の攻撃に劣勢する。
全員がボロボロの状況で、近くで見回りしているボルツとジルコンのペアを呼びに行っていたウォーターメロン・トルマリンが戻ってくる。3人の増援によって、誰も連れ去られることなく、なんとか新型器を退けた。
ひどく欠損したペリドットとスフェンを先に治療している間、フォスとカンゴームは会話を交わす。
反省点は数えきれないが初見のことも多かった。仕方ない
とでもいうと思ったか。次 軽率に動いたら月人の前で叩き割るぞ
はい‥‥‥もしわけ‥‥
みんなやさしい。みんなと、一緒に戦うのはいいね
市川春子.宝石の国(6).第四十三話「盤上」
戦争の仕事を始める前は、一人でいることが多かったフォスは、みんなで力を合わせ何かを成し遂げる経験に乏しかった。
今回の共闘でみんなで助け合い危機を乗り越える喜びを知り、また全員の無事を噛みしめた。
フォスフォフィライトにラピス・ラズリの頭部を付ける許可を
話数 | 第四十四話 |
タイトル | 「近道」 |
ページ数 | p194 |
月人に首を撃ち抜かれ、フォスの頭部は月へ奪われてしまった。カンゴームは残されたフォスの胴体に、以前ペアを組んでいたラピス・ラズリの頭部を組み合わせる提案をする。
昔、頭だけきれいに残したやつがいる
!でもそれは
硬度五は割合近い。成功すれば近道だ
長期休憩所に向かうカンゴーム
まさかあいつが、俺達に一番大事なものを投げ出させるなんてな。すまないラピス
先生。フォスフォフィライトにラピス・ラズリの頭部を付ける許可を
市川春子.宝石の国(6).第四十四話「近道」
かつてゴーストとカンゴームはラピス・ラズリの身体を取り戻すことに執着しており、ラピスの頭部をずっと大事にしていた。だが、いくら経ってもラピスの破片は戻って来なかった。
カンゴームはラピスの復活と引き換えに、月人の秘密を探ろうとしていたフォスの可能性に懸けた。