全13巻・第108話で完結する『宝石の国』。作中から心を揺さぶられる名言を厳選しました。ランキング形式で5つ紹介します。

第五位:僕らの未来にはあなたが必要よ

ユークレースのセリフ

巻数第九巻
話数第七十話
タイトル「未明」
ページ数p187

先生に祈らせるため地上に向かったフォス、パパラチア、イエローダイヤモンドの3人。イエローは戦意喪失し、フォス&パパラチア vs ボルツ&シンシャの対戦 となった。結果は痛み分け。倒れたフォスにユークレースは、協調を求めた。

ユーク

こんなことがしたいわけじゃないでしょう? 誰もこぼさず進む方法を一緒に考えましょう

もう戻れない。所詮五以下は、僕も

ユーク

僕らの未来にはあなたが必要よ

市川春子.宝石の国(9).第七十話「未明」

硬度四以下の粉にされた宝石は修復不可能だと月人から知らされているフォスは「誰もこぼさず」というユークの言葉を肯定することはできなかった。ユークレースに手を差し伸べられたフォスは涙を流した。

直後、3つの予兆の黒点が現れ、カンゴームたちが月から救援にやってくる。フォスたちは先生に会うことすらできず月に戻った。この遠征でイエローダイヤモンドは精神を病み、パパラチアはシンシャの毒液を食らい、二人はしばらく休養することになる。

第四位:僕が剥がれても、フォスを守ってね

ゴースト・クォーツのセリフ

巻数第六巻
話数第三十七話
タイトル「代わりに」
ページ数p22

合金の制御ができなくなり、月人の船の上で動けなくなったフォス。ゴーストはフォスの上半身と下半身を船から地上に落とすことに成功するが、左腕を砕かれてしまう。

二重構造のゴースト・クォーツは、中にいる黒い君と協力して月人たちに応戦する。月人たちが放つ無数の矢を片腕だけでしのぎながらチャンスを伺うが、徐々に全身を削られていく。表面が全て削り落とされる直前、ゴーストは中の黒い君にフォスを託した。

黒い君

耐えるぞ

ゴースト

うん。あのね、僕の中にいる黒い君のこと乱暴で勝手でどうしようもなく迷惑で、ラピスが帰ってこないのも全部 君のせいだと思ってた

黒い君

知ってる

ゴースト

あはは。そりゃそうだね。そういうとこもほんとイヤ!一緒はもううんざり!でも今日は頼りになる

ゴースト

僕が剥がれても、フォスを守ってね

黒い君

何いってんだよ。ほら、助け来たぜ。おい、おい!返事しろ!

市川春子.宝石の国(6).第三十七話「代わりに」

先生やボルツたちが助けに来たが間に合わず、剥がされたゴーストの破片は月人に持っていかれてしまう。中の君は、後にカンゴームと名付けられ、ゴーストとの最後の約束を守るためフォスと行動を共にする。

第三位:先生が さびしくないように 冬をたのむ

アンタークチサイトのセリフ

巻数第三巻
話数第十九話
タイトル「新しい手」
ページ数p138

無くしたフォスの腕の代わりを緒の浜で探しているアンタークとフォス。見つけた金と白金の合金を腕に仮留めしてみると、それらは勝手に動き出しフォスを包んで動けなくしてしまった。

そんなとき、不運にも曇っていた空が急に晴れ、月人が現れる。アンタークはその新型器と交戦し辛くも勝利する。しかし、背後に現れていたもう一器の攻撃を首に受け、砕け散ってしまう。

フォス

動けない~~出してくれ~~。ちょっ‥‥‥!乱暴ね!もう少しやさしくして!

アンターク

がまんしろ!こっちはヒビだらけでギリギリなんだ

フォス

あーでも、無事でなにより‥‥‥

アニメ『宝石の国』第八話:首を撃ち抜かれるアンターク
アンターク

先生が、さびしくないように、冬をたのむ

市川春子.宝石の国(3).第十九話「新しい手」

フォスは金と白金に包まれているおかげで身体が隠れ、月人たちに見つかっていない。アンタークはフォスが声を出してバレないように、砕け落ちる寸前で指を口元に当てるしぐさをし、フォスに冬の仕事を託した。

第二位:ありがとう。約束を

シンシャのセリフ

巻数第十二巻
話数第九十三話
タイトル「約束」
ページ数p72

苦戦しながらもジェードを砕いたフォスの前にシンシャが立ち塞がる。フォスは月人がパパラチアの治療で獲得した水銀への対策加工を施してるため、シンシャの毒液を浴びるだけでは損傷は受けない。フォス vs シンシャ、宝石同士の最後の戦いが火花を切った。

フォス

おまえは利用されてるだけだ。俺を退けるために

シンシャ

知ってる

フォス

本当の仲間などいない

シンシャ

そうかもな

フォス

無様で哀れだな

シンシャ

知ってる

市川春子.宝石の国(12).第九十二話「夜」

合金と水銀が激しくぶつかり合い、ついに倒れる二人。その上に大量の水銀が覆い被さる。そして、床に大きくまき散らされた水銀の中から出てきたのは、シンシャの頭部を貫いたフォスの尖った右腕だった。

シンシャ

おまえのおかげで、みんなと仲良くできた。楽しかった

シンシャ

ありがとう。約束を

フォスの勝利で幕を閉じた二人の争い。フォスが月へ行ったことで、月人の襲来がなくなり、夜の見回りが不要となっていた。また、フォスという共通の敵が現れたことが他の宝石たちと心を打ち解けるきっかけとなり、孤独からも解放されていた。

シンシャは貫かれた頭が砕け散る直前、虚の岬で交わされた約束の礼を告げる。フォスは約束の内容も、交わした事実もとうに忘れ去っていたが、結果として約束は守られた。

市川春子.宝石の国(12).第九十三話「約束」

第一位:みんなに会いたいような 軽い気分 かるい

フォスフォスライトのセリフ

巻数第十三巻
話数第百七話
タイトル「終わりに」
ページ数p*

ついに、この星が消滅する時がくる。兄機た新たな石生命体たちは、月人たちが用意していた脱出ポットに乗り込むも、フォスは橋を燃やすため一人残る選択をする。

フォス

やり遂げた、何もできなかった この僕が。先生 ほめてくれるかな

フォス

みんなに会いたいような、軽い気分、かるい

市川春子.宝石の国(13).第百七話「終わりに」

太陽衝突の瞬間、フォスは遠い過去を思い出す。最期はフォスフォフィライトの本来の姿に戻り、純粋な笑顔を見せ消滅した。

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何もできなかったフォスフォフィライトが永い永い時をかけ、ようやくやり遂げた仕事。

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漫画『宝石の国(1)』第2話より、虚の岬で再会したフォスとシンシャの重たい会話。