北宇治高校吹奏楽部のコントラバス奏者、川島緑輝と1年後輩で緑輝を慕う月永求。二人の会話や関係性をまとめました。
北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編
タイトル | 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 |
巻数 | 8巻目 |
発売日 | 2017年8月26日 |
作者 | 武田綾乃 |
出版社・レーベル | 宝島社・宝島社文庫 |
収録内容
- プロローグ
- 一 不穏なダ・カーポ
- 二 孤独にマルカート
- 三 嘘つきアッチェレランド
- エピローグ
求くんって親戚に吹奏楽部関係者とかいたり──
・・・・・・月永求です。まあ、とくにおもしろ名前じゃないと思いますけど
月永?もしかしてやねんけど、求くんって親戚に吹奏楽部関係者とかいたり──
しません
初対面のとき緑輝は、"月永"という名字に聞き覚えがあったが、深く追求することはしなかった。
緑、男の子って苦手やねんけど、
緑、男の子って苦手やねんけど、でも求くんは全然平気やった
麗奈に低音パートに入部した1年生の話をしているときの緑。求くんは例外的に苦手な印象は持たなかった。
す、すごい!
す、すごい!あの、先輩。こっちの曲もお願いしていいですか?
それは全然いいけど
彼女が演奏している曲、『愛の挨拶』は、イギリス人のエドワード・エルガーによって作曲された。のちに妻となるキャロラインに贈られたこの曲は、日本でも高い人気を誇る。
求は緑輝の演奏を初めて聞き、その技術の高さに感銘を受ける。求はお気に入りの曲『愛の挨拶』を弾いてほしいとリクエストした。
僕を、緑先輩の弟子にしてください!
あ、あの!あの、緑先輩に、僕、お願いがあるんですけど、
お願いって?
僕を・・・・・・その、僕を、緑先輩の弟子にしてください!
緑、弟子を取るのは初めて!ほんまに緑でいいの?
緑先輩がいいんです
わーい。緑、師匠になっちゃった!
ただの先輩後輩の関係では物足りないほど緑輝を尊敬している求は弟子入りを志願。
緑先輩には完璧で素敵な男性と幸せに結ばれてほしいんです
正直な話、求君って緑のことが好きなのかなって
好きですよ。緑先輩は素晴らしい方ですから
それっていうのは、こう、付き合いたいとかそういう感じ?
いえ、そういうわけではないです。そもそも僕は、緑先輩の類まれな演奏技術と神がかり的な人格を尊敬しているのわけであって・・・・・・
だいたい、僕なんかが付き合いたいとか言うの、おこがましいじゃないですか。僕、緑先輩には完璧で素敵な男性と幸せに結ばれてほしいんですよね
傍から見ると異常なほど緑輝に傾倒している求に、久美子は恋愛感情があるのではないかと疑いをかける。