漫画『宝石の国 (11)』の中から印象に残る名シーンを3つピックアップしました。

市川春子.宝石の国(11).第86話「開戦」:月から全軍を引き連れてきたフォス

次は、僕の邪魔をする、すべての宝石を粉にする

話数第八十二話
タイトル「成り行き」
ページ数p66

フォスが金剛を起動させるも、地上の全宝石から攻撃を受け、祈らせることに失敗してから二百二十年後の冬。先生に修復され意識を戻したフォスは、すぐさま、祈らせようと試み再起動をさせる。

だが、あと一歩のところで異変に気付いたユークレースやボルツに見つかり、再び阻止されてしまう。ルチルに粉にされそうなる直前でパパラチアたちを乗せた船が地上に到着。間一髪で助けられ、月に戻ったフォス。

二百二十年間も破片にされたままで、ついには皆に忘れ去られ、さらに二度も祈りの邪魔をされたことで、地上に残っているかつての仲間たちに復讐心を抱く。

フォス

金剛はまだ僕を愛している。邪魔がなければ金剛は祈った、必ず祈った。必ず祈る、僕の為に。

フォス

次は、僕の邪魔をする、すべての宝石を粉にする。宝石さえいなければ

市川春子.宝石の国(11).第八十二話「成り行き」

足、腕、頭部と身体の一部を失っていき、元の姿からかけ離れていったが、ついに美しさのかけらもない禍々しい怪物と化した。博物誌編纂の仕事をしていた頃の純粋だったフォスの面影はなく、思わず目を伏せたくなる主人公の姿が一ページに大きく描かれているシーン。

修復途中だったため、破片同士の境界線が露わなったままで細かく砕かれた痕が生々しく残ってる。そして、主人公のものとは到底思えない衝撃的な発言。末っ子で可愛げがあって、可愛がられていた頃の、仲間想いで心優しかったフォスはどこへ…。

ブッッッ壊してやる!!

話数第八十六話
タイトル「開戦」
ページ数p145

強大なリボンとアイドル衣装を身に着けたダイヤは因縁の相手ボルツに勝負を挑んだ。しかし、戦闘狂だったボルツの面影は消え去り、かつて引け目を感じていた弟はすっかり様変わりしていた。

ダイヤ

戦ってくれる?あなたの一番得意なことであなたに勝ちたいの

ボルツ

僕はもう戦いに興味ないんだ。クラゲの飼育の方が面白い。長い間月人が来ず戦う必要がなくなった。腕も落ちた

ダイヤ

はあああああ、はああ~~~~~~?誰も所為でこんなことになったと思ってんのよ!! ブッッッ壊してやる!!

市川春子.宝石の国(11).第八十六話「開戦」

怒り心頭のダイヤは、今までのしとやかなイメージが崩れる荒々しい発言をする。月人&フォスたち vs 残った宝石たちの全面戦争はダイヤとボルツの兄弟対決から幕を開けた。

アレキ、やめて

話数第八十七話
タイトル「静寂」
ページ数p158

ペリドットとウォーターメロン・トルマリンを一刺し。二人を貫いたままの剣を横に振り、ヘモフィルナイトを破壊。アレキを止めに、ジルコン、スフェン、新モルガナイト、アメシストサーティースリーが四方から一斉に攻撃を試みるも、4人を一撃で粉砕する。

赤アレキ

ユーク

アレキ、やめて

ベニト

ちょっ ちょっ

市川春子.宝石の国(11).第八十七話「静寂」

さらに、仲裁しようとしたオブシディアン、レッドベリルもまとめて砕いた。制御役のベニトアイトに首の鎖を引かれ、頭部がもげるもその状態で剣を振り、ネプチュナイトも粉砕。その場にいた12人のうちユークレースを除く、11人をあっという間に戦闘不能にした。

宙を舞った頭部は引っ張ったベニトに当たり、ベニトも倒れた。暴走したアレキの手により、ほとんどの宝石が倒れ、“静寂”が訪れた。

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