漫画『宝石の国 (12)』の中から印象に残る名シーンを3つピックアップしました。

市川春子.宝石の国(12).第九十話「破砕」

僕は誰も 要らないんだよね

話数第九十話
タイトル「破砕」
ページ数p31

赤アレキによって、ほとんどの宝石が砕け落ちた学校に、ついにフォスが降り立った。ユークレースは剣を置き、敗戦を宣言。調停に持ち込もうとフォスに説得を試みるも失敗に終わる。

ユーク

僕の負け。月に連れてって。そしてどうかあなたと月人と話をさせてほしいの。時間をかければ必ず皆が満足する答えが見つかるわ。

ユーク

僕たちの長い命はきっと難しい問題を乗り越えるためにあると思うの。お願い、どうか取り持って、あなたにしかできないことなの

フォス

僕が必要?

ユーク

ええ

フォス

僕は誰も 要らないんだよね

市川春子.宝石の国(12).第九十話「破砕」

仲間は必要ないと吐き捨て、ユークの頭を破砕した後、眠ったままのパパラチアの傍から離れず、うなだれて座っているルチルを見つける。フォスはルチルを砕くよう月人に命令。ルチルは無抵抗のまま弓で射られた。これでフォスの除き、動ける宝石は、ジェード、シンシャの残り2人となった。

ありがとう 約束を

話数第九十三話
タイトル「約束」
ページ数p72

苦戦しながらもジェードを砕いたフォスの前にシンシャが立ち塞がる。フォスは月人がパパラチアの治療で獲得した水銀への対策加工を施してるため、シンシャの毒液を浴びるだけでは損傷は受けない。フォス vs シンシャ、宝石同士の最後の戦いが火花を切った。

フォス

おまえは利用されてるだけだ。俺を退けるために

シンシャ

知ってる

フォス

本当の仲間などいない

シンシャ

そうかもな

フォス

無様で哀れだな

シンシャ

知ってる

市川春子.宝石の国(12).第九十二話「夜」

合金と水銀が激しくぶつかり合い、ついに倒れる二人。その上に大量の水銀が覆い被さる。そして、床に大きくまき散らされた水銀の中から出てきたのは、シンシャの頭部を貫いたフォスの尖った右腕だった。

シンシャ

おまえのおかげで、みんなと仲良くできた。楽しかった

シンシャ

ありがとう。約束を

フォスの勝利で幕を閉じた二人の争い。フォスが月へ行ったことで、月人の襲来がなくなり、夜の見回りが不要となっていた。また、フォスという共通の敵が現れたことが他の宝石たちと心を打ち解けるきっかけとなり、孤独からも解放されていた。

シンシャは貫かれた頭が砕け散る直前、虚の岬で交わされた約束の礼を告げる。フォスは約束の内容も、交わした事実もとうに忘れ去っていたが、結果として約束は守られた。

市川春子.宝石の国(12).第九十三話「約束」

やっと解り合えましたね

話数第九十八話
タイトル「祈り」
ページ数p194

フォスは金剛の右目を移植し、一万年という永い永い月日を経て、新たな存在として目覚めた。かつてのフォスの前に月人、月人化した先生と宝石とアドミラビリスが訪れ、頭を垂れる。

フォス

私は祈り、あなた方を無に送りこの一万年と少しの間には何も無かったのです。

フォス

無に至る。それが私とあなた方の願い。やっと解り合えましたね

先生

ありがとう

エクメア

ありがとう

市川春子.宝石の国(12).第九十八話「祈り」

祈りによって、人間を祖をするすべての存在が無に還った。

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