中川夏紀×傘木希美 会話集
飛び立つ君の背を見上げる
タイトル | 飛び立つ君の背を見上げる |
巻数 | 13巻目 |
発売日 | 2021年2月27日 |
作者 | 武田綾乃 |
出版社・レーベル | 宝島社・宝島社文庫 |
第一話 傘木希美はツキがない。
辞める理由がないからなぁ
夏紀が部活辞めないって言ったの、意外やった
何、急に
だってさ、『こんな部活クソや!』ぐらい真っ先に言い出しそうやん
辞める理由がないからなぁ、うちには
続ける理由もないでしょ?
ま、そこは惰性ってやつ
夏紀が吹奏楽部を気に入ってくれたならよかったよ。うちが誘っちゃったからさ
負い目でも感じてた?
ちょっとだけね
第二話 鎧塚みぞれは視野が狭い。
いちばん変わったのが夏紀やと思うわ
一生懸命やるの、好きやろ?
べつに好きじゃない。面倒くさいのは嫌いやし、熱血なのも嫌
昔はそうやったかもしれんけど、いまはちゃうでしょ
うちが変わったって?
変わったやん。四人のなかでいちばん変わったのが夏紀やと思うわ
そーかぁ?
うちはうれしかったけどな、副部長の夏紀を見るの
第三話 吉川優子は天邪鬼。
うちも好きやで、そういう希美
うちは、ポジティブ器用貧乏って書いたな
なんじゃそりゃ
でもうち、そういう自分が好きやから
うちも好きやで、そういう希美
そんなん、最初から知ってる
あらそう
そうそう
記憶のイルミネーション
夏紀のそういうとこ、ホンマええなって思うわ。
大学生になってもさ、こうやって四人で遊んだりしたいなってうちは思うてるんやけど
そうなん?
珍しない? 夏紀からそういうこと言うの
さっきみぞれに言うちゃったからさ
何を?
また四人で遊びに行こうって
夏紀のそういうとこ、ホンマええなって思うわ。尊敬する
そういうとこってどこよ
なんというか、そういうところ
答えになってへんって
尊敬してるんはほんまやで
そりゃドーモ。うちも希美のこと尊敬してる
ありがとう、よう言われるわ
やろうな