北宇治高校吹奏楽部のコントラバス奏者、川島輝緑の名言まとめ。

タイトル北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編
巻数8巻目
発売日2017年8月26日
作者武田綾乃
出版社レーベル宝島社・宝島社文庫

好きとか最高とか、ちゃんと伝えへんとやる気って死んじゃうから

同じクラスの芹菜に北宇治高校と立華高校、どっちの吹奏楽部が優れているか聞かれた緑輝。

川島緑輝

全国出場とか、金賞獲得とか、上手いねって言われる学校のバロメーターは確かにあるけど、でも音楽ってそれだけとちゃうやんか。

大会の成績や受賞歴である程度の優劣をつけることはできるが、それだけでは測りきれないのが音楽だという。

川島緑輝

聞く人の好みもあるし、音楽は生き物やからステージによっても変わったりするし。やからね、緑はあんまり軽々しくどっちが上とか言えへんかな

吹奏楽にも人それぞれ好き嫌いがあり、同じメンバーで演奏しても毎回同じ演奏になるとは限らない。だからスポーツのような順位付けは意味を成さない。

緑輝は友達との単なる雑談であっても音楽に対して軽口を叩いたりせず、吹奏楽と真摯に向き合っていることが分かる。

川島緑輝

でもでも、北宇治と立華が両方ともトップクラスで上手いってのは間違いないかな。どっちもめちゃくちゃ上手い!

どっちが上かという質問には答えを出さなかった緑だが、自信たっぷりにどちらも演奏も優れているのだとまとめた。

柊木芹菜

謙遜とかしいひんねんな

自分の所属している部を持ち上げる緑に芹菜はツッコミを入れた。上手なのは単なる事実だという緑は、普段から心掛けていることを話す。

川島緑輝

んふふ、ほんまのこと言うただけやから。緑、自分がいいなって思うことはちゃんといいって言いたいの。好きとか最高とか、ちゃんと伝えへんとやる気って死んじゃうから

感想を伝えることや素直に褒めることは、努力している人のモチベーションに関わることだと理解している緑。

自分がいいひんくても構わへんなんて考えは、もってのほかやと緑は思うんなあ

放課後、低音パートの面々はコンクール出場メンバーを決めるオーディションに向け、いつもの教室でパート練習に励んでいた。

教卓横のスペースでコントラバスを弾いていた求は、自分たちの楽器の存在意義について、隣にいる先輩の緑輝に疑問を投げかける。

月永 求

コントラバスって、なんのために吹奏楽にいるんでしょうか? 本当に必要な存在なんかなって。音なんてほかの楽器の音にかき消されるし、お客さんにだって聞こえないし

川島緑輝

求くんは、外から音を聞いたことある? コンバスがいるのといないのとじゃ、響きが全然違うなーって感じると思うよ

川島緑輝

コントラバスの大事な役割は、音量じゃなくて、響きを演奏に加えること。演奏全体の雰囲気を変えちゃう、それがコントラバスの持ってるものすごーいパワーやねん

川島緑輝

楽器に優劣はないし、音楽を作るのに不必要なパートもないよ。自分がいいひんくても構わへんなんて考えは、もってのほかやと緑は思うんなあ

月永 求

‥‥‥すみません

求は一年生の自分がコンバスとして出場メンバーに選ばれ、限られた枠を埋めてしまうよりもユーフォニアムの副部長でもある三年生の夏紀など他の楽器が出場した方が良いのではと考えていた。

後輩の質問から抱えているネガティブな内心を見透かして、コントラバスの魅力と役割を伝える緑。楽器やパートを卑下するような考えをはっきり否定する。

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