漫画『宝石の国 (7)』の中から印象に残る名シーンを3つピックアップしました。
市川春子.宝石の国(7).第四十七話「百二年」
おはよう、起きたら新しい日だ
話数 | 第四十六話 |
タイトル | 「ラピス・ラズリ」 |
ページ数 | p53 |
ラピスの頭部を接合成功し、102年ぶりに目覚めたフォスはその日の夜、夢でラピス・ラズリに出会う。それはラピスが砕かれる以前に、インクルージョンに託していた伝言だった。
いいかい。先生と月人の本当の関係を知る。シンシャの協力を得られる材料を掴む。アンタークとゴーストを取り戻す。
このくらいなら今の君で一度に解決可能な道がひとつだけ見えるなあ、わかるかい?
わかったらこんなことになってない、ことしかわからない
ふーむ、たしかに。考え方にセンスはあるね。あとは持続、深度、閃めきだ。
時間だね。ほら、僕の天才も分けてあげるから。おはよう、起きたら新しい日だ
市川春子.宝石の国(7).第四十六話「ラピス・ラズリ」
ラピスは身体の一部とともに記憶を失っていたフォスに、過去の記憶を呼び覚まし、考えを整理させるためのヒントを与えた。
そして、フォスは頭脳明晰というラピス自身が有していた能力も譲り受け、今の膠着状態を打破するため再び進みだす。
いつか僕が会わせるから、訊いてみて
話数 | 第四十七話 |
タイトル | 「百二年」 |
ページ数 | p76 |
82年前、フォスが頭部を失い眠り始めた20年後にモルガナイトとゴーシェナイトのペアは二人とも月へ行った。二人が去ってから12年後、新たにモルガナイトとゴーシェナイトが誕生する。
新モルガは人見知りで、以前のモルガと比較されて、みんなに嫌われているのではないかと悩んでいた。新モルガは先輩のフォスに初めて会ったとき、そのことを相談した。
みんなが前のモルガと全然ちがうねって言うの。みんな前のモルガの方が好きなのかな?先輩もそう?
いやー全然そうじゃないね。前のモルガは粗暴で高慢で、あいつの方が先生に怒られてんのに何かと僕には上からでさー
でも、一緒にいると楽しかった。大丈夫、みんな君もあいつも同じくらい大好きだし、あいつも君が好きだと思うな
ほんと?
本当だとも。いつか僕が会わせるから、訊いてみて
市川春子.宝石の国(7).第四十七話「百二年」
宝石の国の第一話から登場し、草原で寝ていたフォスに近くを見回りしていたモルガとゴーシェ。そんな二人との別れが唐突に明かされる。
フォスは二人がいなくなったことにショックを受けているが、新しく生まれた後輩には先輩らしく振舞い、新モルガを安心させる台詞を言った。
行くな。 気をつけて。
話数 | 第五十二話 |
タイトル | 「旅路」 |
ページ数 | p* |
月に行くことを決意したフォスは、助言を求めシンシャの元へ向かった。月へ行くという無茶苦茶な発言に戸惑うシンシャはフォスの去り際、引き留めようとするが、その声は風にかき消されてしまう。
君にこれを言うのもおかしな話なんだけど、月に行ってくる。月に行く他、進む選択肢がない。で一緒にどう?
と言いたい所だけど、とりあえず僕が様子見てくるよ。戻ってから君の慧眼を借りたいな。‥‥‥それじゃ
シンシャに背を向け、歩き始めるフォス。
突拍子もないフォスの発言を聞き、うなだれるシンシャ。
‥‥‥行って 戻る? 前例がない。不確定要素が多い。予測がつかない‥‥‥
行くな
ごめん。風が強くて聞こえなかった。今なんて?
気をつけて
市川春子.宝石の国(7).第五十二話「旅路」
引き留めようとしたもののフォスに届かず、聞き返されたシンシャは、一度目とは反対の言葉を投げかけた。が、実のところフォスはシンシャの声が聞こえていたことが、第六十一話「決別」で発覚する。たとえ、シンシャに反対されても月に行くこと決意を変えない、強い覚悟がある。