佐々木 梓

Nozomi Kasaki

CV :田所あずさ

・立華高校 吹奏楽部 部長
・トロンボーン
・黄前久美子や高坂麗奈と同じ北中吹奏楽部の出身。
・しっかり者でお節介な性格。


立華高校マーチングバンドへようこそ 前編

発売日2016年8月4日
作者武田綾乃
出版社レーベル宝島社・宝島社文庫

収録内容

  • プロローグ
  • 一 暴走フォワードマーチ
  • 二 追憶トゥーザリア
  • 三 緊張スライドステップ
  • エピローグ

三 緊張スライドステップ

きつすぎてもダメ。緩すぎてもダメ。

名瀬あみか

あ、鵜だよ

佐々木梓

あみかさ、生で鵜飼い見たことある?

名瀬あみか

この前、家族で見たよ。そこの船に乗ったんだ。鵜匠さんって、女の人もいるんだね

佐々木梓

鵜飼いの際には鵜の首の付け根を紐でくくることにより、鵜が魚を捕っても飲み込めなくさせるのだ

佐々木梓

首のくくりがきついと鵜が息をすることができなくなってしまい、また逆に緩いと獲ってきた魚が喉元でとどまらずに、腹まで入ってしまう。

佐々木梓

満腹になった鵜は漁をすることをやめてしまうので、紐のくくり方のさじ加減が非常に重要となってくる。

佐々木梓

きつすぎてもダメ。緩すぎてもダメ。適切な縛り方を理解するというのは、どうにも自分には難しかった。

あみかとの会話中に、鵜飼いという伝統的な漁法から、人の縛り方の学びを得る佐々木梓のシーン。

中学時代は紐を緩めたことで、柊芹菜は離れてしまった。その反省から今度は逃げ出さないように名瀬あみかのことはきつく縛ろうとする。

立華高校 マーチングバンドへようこそ 後編

発売日2016年9月6日
作者武田綾乃
出版社レーベル宝島社・宝島社文庫

収録内容

  • プロローグ
  • 一 妄想マークタイム
  • 二 瞬間パレードレスト
  • 三 無意識テンハット
  • 四 青春ベルアップ
  • エピローグ

三 無意識テンハット

梓にとって、私は何?

柊芹菜

いい加減にして!私が気ぃつかんとでも思った?

佐々木梓

何を、

柊芹菜

佐々木が私を捨てようとしてるってこと

柊芹菜

私の、何が気に食わへんの。ここまでアンタのこと好きにさせて、やのに気に入らんかったら距離取んの

柊芹菜

私がみじめじゃなくなったから、だからもう用済みになったんやろ

柊芹菜

梓にとって、私は何?

佐々木梓

うちは、

佐々木梓

うちは……

梓が中学3年のときのトラウマ。修学旅行をきっかけに良好な関係を築いていた二人が衝突するシーン。芹菜に問い詰められ、何も言い返すことができなかった。

梓は純粋な好意や親切心から友達になってあげたつもりでいた。芹菜の言葉によって、邪で黒くどろどろした心理が暴かれていく。

おわりに

トロンボーンの実力は折り紙付きでも、人間関係では失敗の連続。みぞれや麗奈を見てても感じるけれど、他者を圧倒させる力を持っていることが、対等な関係を築く上ではマイナスに働いてしまうのかもしれない。