黄前久美子が剣崎梨々花とファミレスに行き、初めて二人きりで話したときのシーン。
タイトル | 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 |
巻数 | 8巻目 |
発売日 | 2017年8月26日 |
作者 | 武田綾乃 |
出版社・レーベル | 宝島社・宝島社文庫 |
収録内容
- プロローグ
- 一 不穏なダ・カーポ
- 二 孤独にマルカート
- 三 嘘つきアッチェレランド
- エピローグ
黄前久美子と剣崎梨々花の二人はイタリア料理のファミレスに来ていた。
鈴木美玲と仲良くしてほしいと奏に頼んだ久美子は、その交換条件として梨々花の相談相手になってほしいと頼まれていた。
今日はこうしてわざわざ時間作ってもらって、とってもうれしいです。ありがとうございまーす!
いやあ、まあ、それはいいんだけどね
パートも学年も異なる二人がちゃんと話すのはこれが初めてだった。
久美子はオムライスを、梨々花はチーズドリアを注文する。
胸まで伸びた髪は緩やかに螺旋を描き、その前髪は無造作に後ろへとまとめられている。
ブラウンに近い色味のせいか、一見するとパーマを当てたようにしか見えない髪は、生まれつきのものらしい。
目、鼻、口。それぞれのパーツは際立って整っているとは言えないが、全体的な配置の絶妙なバランスが彼女を美少女に仕立て上げていた。
ドリアを美味しそうに食べる後輩を見て可愛らしいという印象を受けた。
剣崎さんは、奏ちゃんと仲いいの?
えー剣崎さんなんて、気を遣わないでくださいよー。私のことは、梨々花でいいですよ。それか、リリリンでもOKでーす
あ、うん。・・・・・・じゃあ、梨々花ちゃんって呼ばせてもらうね。
いきなり「リリリン」というあだ名で呼ぶことを許可された久美子だったが、さすがに距離が近すぎると感じ、悩んだ末「梨々花ちゃん」に決めた。